遺言書(Will)は貴方の相続人等に対する最後の言葉です。遺言書があることにより、相続争いを抑止することができ、同時に相続手続きを容易なものとすることができます。これにより、遺族は貴方との別れの後にも、前を向いて人生を再開することができます。
どうぞ、50歳以上の方は、万が一に備えて、遺言書の作成を検討してみてください。遺言書を作成してみると、改めて家族の尊さを認識することができると思います。費用が安く、気軽に作り直すことのできる自筆証書遺言のご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
万が一に備え、40代の私も既に自筆証書遺言にて「遺言書」を作成しています。妻や子供のことを思い出しながら、涙ながらに書きました。どうぞ、まだ先のこととは考えずに、今の状態で遺言書の作成を検討してみてください。
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1.遺言書とは?
遺言書とは、自分が亡くなった後に、財産をどのように処分するのかなどを指定することができる文書です。民法に、その法律的効果が規定されています。
遺言書がある場合は、原則として、相続財産は遺言書の内容を実現する形で財産を承継させますので、遺言書が無い場合と比べて次のようなメリットがあります。
遺言書を作成するメリット
- 相続手続きの簡易化
遺言書がある場合は、相続人同士が全員で相続財産の取り分についての話し合いである「遺産分割協議」をする必要が無くなります。
これにより、相続人の相続手続きの負担が大幅に軽減されます。仮に、相続人の中に海外居住者がいる場合は大使館や領事館でサイン証明書を取得したりする必要もなくなり、未成年者がいる場合は特別代理人の申立ても必要なくなり、非常に相続手続きが容易になります。 - 遺言施行者の指定
遺言書の中に「遺言執行者」の指定がある場合には、相続開始と同時に財産の相続手続きを全て遺言執行者が実行してくれますので、相続手続きが非常に楽になります。 - 遺産分割協議書の作成費用の削減
実はこれも大きなメリットの一つです。遺言書があれば、遺産分割協議書の作成が不要となりますので、これに要する費用が削減できます。 - 相続争いの抑止効果
遺言書があると遺産分割協議をする必要がありませんので、結果として「相続争いの抑止効果」があることになります。仲の良い家族であっても遺産分割協議を通じて関係が悪化することがあります。そのくらい金銭の話し合いはトラブルの火種になります。
また、財産の分け方も兄弟や姉妹で話し合いをすると喧嘩になってしまうことも、親が分け方を指定しておくと、意外と子ども達は納得するものです。 - 相続する人や相続財産の内容、相続分の指定が可能
基本的に、遺言書の内容はそのまま実現されます。たとえ遺留分を侵害している内容の遺言書の内容であったとしても、まずはそのまま実現されることになります。
したがって、代々の土地や会社の株式などの特定の財産を特定の相続人に承継させたいような場合には、遺言書を書いておく必要があります。ただし、この場合は同時に遺留分対策などをしておく必要があります。 - 妻や特定の相続人の保護
例えば、子が無い妻がいる場合には、遺言書が無いと、妻と亡くなった方の父や母、兄弟姉妹、甥姪と遺産分割協議をさせることになります。特に晩婚の配偶者がいる場合は、相続開始後に配偶者と自分の血族相続人とがトラブルになる可能性があるため注意が必要です。
また、婚外子で認知した子などがいる場合は、遺産分割協議で争いが勃発しやすいため、遺言書を作成しておくことで、立場の弱い子などを保護することができます。
なお、遺言書を作成することによるデメリットは基本的にありません。あるとすれば、①費用がかかるということ、②執行期間が異常に長くなる可能性があること、くらいですが、次の通り適切に対処できます。
まず、①の「費用」については、自筆証書遺言を選択すれば、作成費用は住民票の取得代金(200円程度)と保管申請手数料(3,900円)だけです。後々の遺産分割協議書の作成費用(相場は5万円以上)を考えれば、随分と安いと感じるのではないでしょうか。
次に、②の「手続き期間の長期化」についてですが、大きな事務所や信託銀行ではなく、経験豊富な(比較的規模の小さな)事務所に依頼をすることで解消できるかと思います。
2.遺言書でできること
遺言書の大きな役割は、相続財産の処分の指定にありますが、これ以外にも遺言書を通じてできることがあります。また、法的拘束力のない「付言事項」も書いておくことで、相続人が感情的に納得をして相続を終えることができます。
ここでは、遺言書でできることを簡単に説明します。
1) 遺産の承継方法の指定
遺言書では、①誰に、②どの財産を、③どの程度承継させるかを具体的に指定することができます。相続人以外に財産を渡すこともできるので、相続人以外の人や会社、慈善団体などに財産を渡したい場合は遺言書の作成が必要となります。
2) 相続人の廃除
遺言書では、特定の相続人の相続する権利を剥奪することが可能です。これを民法では「推定相続人の廃除」といいます。
ただし、推定相続人の廃除の判断は最終的に家庭裁判所により行われものであり、実務上は7件に1件程度の割合でしか認められていませんので、廃除は相当難しいと理解しておく必要があります。
3) 婚外子(非嫡出子)の認知
遺言者が男性で、隠し子(婚外子)がいる場合には「認知」をしない限り、その隠し子は民法上の嫡出子としての身分が無いため、財産を承継する権利がありません。
したがって、婚外子に相続権を発生させるためには「認知」が必要となります。この「認知」は生前だけでなく、遺言書により行うことができます。
4) 遺言執行人の指定
遺言書では、遺言書の内容を実現する人(遺言執行人)を指定することができます。遺言執行人を指定しておくことで相続手続きを速やかに、かつ、確実に行うことができます。
相続人が海外などの遠隔地にいる場合や相続人が年配、未成年者、地縁関係の遠い人の場合は、遺言執行者を指定しておくことで、相続手続きをスムーズにすることができます。
5) 保険金受取人の変更
保険金の中には、遺言書で保険金受取人の変更することができるものもあります。
ただし、共済や一部の保険では、遺言書による保険金受取人の変更ができないこともありますので、事前に約款等で確認しておく必要があります。
6) 付言事項の追加
付言事項とは、法的効力を与えることを直接の目的としない、付加的な事項を記載したものです。一般的には次のような内容が書かれます。
付言事項に法的拘束力はありませんので、意味のないものと思うかもしれませんが、付言事項の有無はその後の円満な相続に大きく影響をすることもしばしばです。遺言書に家族のことを思って書かれた文言あるか無いかは、相続人の遺言書から受ける心象に大きく影響をします。
3.遺言書の種類
遺言書には、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言の3つの遺言の方式があり、保管方法も考えれば、次の通り4つの遺言書の作成方法があります。
自筆証書遺言 (自宅等保管) | 自筆証書遺言 (法務局保管) | 公正証書遺言 | 秘密証書遺言 | |
---|---|---|---|---|
遺言書を書く人 | 本人 | 本人 | 公証人 | 本人(代筆可) |
証人 | 不要 | 不要 | 2人以上 | 2人以上 |
検認 | 必要 | 不要 | 不要 | 必要 |
作成の手間 | 容易 | 容易 | 手間 | 手間 |
偽造リスク | あり~ほぼなし | なし | なし | ほぼなし |
遺言書の無効リスク | 低い~普通 | 低い~普通 | 低い | やや高い |
作成費用 | 0円 | 3,900円 (保管費用) | 5,000円~ (財産額に応じて変動) | 一律11,000円 (財産額不問) |
保管方法 | 自宅等 | 法務局 | 公証役場 | 自宅等 |
実務上は②の「公正証書遺言」で作成することが大半ですが、近年の民法改正による自筆証書遺言の方式緩和及び自筆証書遺言の保管制度の整備により、自筆証書遺言の利用価値が飛躍的に向上したと思います。
①将来的に遺言書の内容を変更する可能性のある方、②自分で長文を自書する元気のある方、③遺言の内容が単純な方は、自筆証書遺言で作成するのも良いのではないかと思います。
4.遺言書の作成に当たっての留意点
遺言書の作成に当たっては、主に次の点に留意する必要があります。
1) 遺留分侵害
遺言書は、その内容が特定の推定相続人の遺留分を侵害していたとしても、そのまま作ることができます。
ただし、遺言書の内容が遺留分侵害を引き起こすような場合には、相続開始後に相続争いになる可能性が高くなるため、その点をよくよく理解して作成しておく必要があります。
2) 遺言能力
民法では、第963条において「遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。」と、遺言をする能力について規定しています。
つまり、遺言書が有効となるのは、遺言者が遺言内容を理解し、遺言の結果を弁識しうるに足る意思能力(遺言能力)がある場合に限り有効になるということです。
仮に、遺言者が認知症であったような場合には、遺言能力が無いと判断され、その時に作成した遺言書は、たとえ公正証書遺言で作成をしていたものであったとしても無効になる可能性があるというわけです。
3) 形式要件の具備
自筆証書遺言や秘密証書遺言で遺言書を作成する場合には、民法に定める方式要件を具備しているかどうかに気を付けなければなりません。
具体的には、財産目録を除く全文を「自書」する必要があり、また、「日付」や「押印」が原則として必要となります。そのほか、加除・修正をする場合には、民法に規定する厳格な方式に従って行う必要があります。
4) 法律用語や遺言書についての理解
遺言書では「相続させる」と「遺贈する」では、同じような効果を期待するものであっても、法律的効果が異なることもあります。
また、遺言書の作成に専門家が入らない場合は、遺言書では処理しきれない財産が存在することとなり、結局、遺産分割協議が必要となったりする場合があります。
したがって、自筆証書遺言や秘密証書遺言により遺言書を作成する場合は、参考書を読んだり、専門家の助けを借りるなどして、適切な遺言書の作成ができるようにする必要があります。
5) 相続税の問題
一定以上の資産家の場合は、相続と同時に相続税の問題が生じます。
相続が一旦始まると、基本的には相続財産の評価額を下げる以外に、相続税を低めることはできません。一方、相続開始前であれば、いくつも相続税の支払いを軽減する方策があります。相続が遠い将来であればあるほど、その効果は大きくなります。
したがって、一定以上の資産家の場合は、資産税の税理士と法務に詳しい弁護士や司法書士、行政書士の介入が必要となります。
5.相続タックスにできること
相続タックスの代表者は、この世界でも珍しい税理士・不動産鑑定士・行政書士のトリプルライセンサーです。税務知識はもちろんのこと、民法や会社法、医療法などの相続関連法務にも精通しています。
税務対策に当たっては、一般的な節税対策のほか、不動産を利用した抜本的な対策もすることができます。
さらに、相続タックスでは、代表者が全ての業務を担当していますので、担当者毎にサービス水準が異なることはなく、また、業務の実行速度も他の大きな事務所と比べて圧倒的に早いと考えております。
お客様の気持ちに寄り添った「遺言書」の作成を、後方からバックアップさせて頂きます。どうぞ、遺言書の作成は相続タックスへご相談ください。
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- 面談をご希望の方は、お電話又はお問い合わせフォームより面談方法や面談日時、相談内容を教えてください。
- 弊所では、面談方法として次の4つを用意しております。
- 訪問面談(遠方の場合は移動交通費をご負担頂く場合がございます。)
- 来所面談
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- 相続税の発生が予想される方(概ね資産総額が8千万円以上の方)は、財産コンサルティング業務を同時にご依頼頂くことをお勧めしております。遺言書とセットでご依頼頂くと30%割引致しますので是非ご検討ください。
面談(訪問・来所・Web・電話)
- 遺言書についての説明をします。
- 作成する遺言書の種類を決定します。(後々変えて頂くこともできます。)
- 相続人や相続財産、承継方針についてヒアリング致します。
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