貸家建付借地権の評価

2021年9月4日
阿部 博行

阿部 博行

税理士・不動産鑑定士・行政書士・FP1級技能士・応用情報技術者

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2.貸家建付借地権等の価額

貸家建付借地権の計算例(通常の場合)
貸家建付借地権の計算例(通常の場合)

(1) 評価方法

貸家建付借地権等の価額は、次の算式により計算した価額によって評価します。

  • 借地権等の価額 - 借地権等の価額 × 借家権割合 × 賃貸割合

(2) 計算例

  1. 自用地としての価額
    12,000万円
  2. 借地権の価額
    (12,000万円) × 借地権割合(60%)= 7,200万円
  3. 貸家建付借地権の価額
    (7,200万円) - ②(7,200万円) × 借家権割合(30%)× 賃貸割合(100%)= 5,040万円

3.区分地上権が存する場合の貸家建付借地権等の価額

区分地上権が存する貸家建付借地権等
区分地上権が存する貸家建付借地権等

(1) 評価方法

区分地上権が存する場合の貸家建付借地権等の価額は、次の算式により計算した価額によって評価します。

  1. 借地権等の価額 × (1-区分地上権割合)
  2. ① - ① × 借家権割合 × 賃貸割合

(2) 計算例

貸家建付借地権の計算例(区分地上権が競合する場合)
貸家建付借地権の計算例(区分地上権が競合する場合)
  1. 自用地としての価額
    12,000万円
  2. 借地権の価額
    (32,000万円) × 借地権割合(70%)= 22,400万円
  3. 区分地上権割合
    30% ∵ずい道
  4. 区分地上権が設定されいる借地権等の価額
    (22,400万円) - ③(22,400万円) × 区分地上権割合(30%) × 設定割合(500÷1,500) = 20,160万円
  5. 区分地上権が存する場合の貸家建付借地権等の価額
    (20,160万円) – ④(20,160万円) × 借家権割合(30%) × 賃貸割合(100%) = 14,112万円

4.区分地上権に準ずる地役権が存する場合の貸家建付借地権等の価額

区分地上権に準ずる地役権が存する貸家建付借地権等
区分地上権に準ずる地役権が存する貸家建付借地権等

(1) 評価方法

  1. 借地権等の価額 × (1-区分地上権に準ずる地役権の割合)
  2. ① - ① × 借家権割合 × 賃貸割合

(2) 計算例

貸家建付借地権の計算例(区分地上権に準ずる地役権が競合する場合)
貸家建付借地権の計算例(区分地上権に準ずる地役権が競合する場合)
  1. 自用地としての価額
    10,000万円
  2. 借地権の価額
    (10,000万円) × 借地権割合(50%)= 5,000万円
  3. 区分地上権に準ずる地役権の割合
    50%(建築不可・簡便法)= 50%(借地権割合)
    ∴50%
  4. 区分地上権にずる地役権が設定されいる借地権等の価額
    (5,000万円) - ②(5,000万円) × 区分地上権に準ずる地役権の割合(50%) × 設定割合(300÷3,000) = 4,750万円
  5. 区分地上権が存する場合の貸家建付借地権等の価額
    (4,750万円) – ④(4,750万円) × 借家権割合(30%) × 賃貸割合(100%) = 3,325万円

相続タックス総合事務所の代表は、大手資産税税理士事務所と大手不動産鑑定会社の両方で、計15年の経験を積んだ、この業界でも珍しい税務と鑑定評価の両方の実務経験がある税理士・不動産鑑定士です。

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